結婚や離婚、養子縁組などで名字が変わると、銀行口座や保険証、免許証など、さまざまな場面で氏名変更の手続きが必要になります。その中で見落とされがちなのが「自動車に関する手続き」です。
名字が変わっても車をそのまま運転できてしまうため、つい後回しにしてしまう方も多いのですが、手続きを怠ると後々大きなトラブルになることがあります。
今回は、名字変更時に必要となる車関連の手続きを、流れと注意点に分けてわかりやすく解説します。
1. 名字変更で影響を受ける主なもの
名字が変わると、以下のような書類・登録情報の修正が必要です。
- 自動車検査証(車検証)
- 自動車運転免許証
- 自賠責保険証明書
- 任意保険証券
これらの情報が古いままだと、車検を通せなかったり、事故時に保険金の支払いに支障が出たりすることがあります。
2. まずは運転免許証の氏名変更
車関連の手続きをスムーズに進めるためには、まず運転免許証の名字変更を行うのがおすすめです。
手続き場所
- 住所地を管轄する警察署
- 運転免許試験場
必要書類
- 本籍が記載された住民票の写し(コピー不可)または戸籍謄本を提出
- 現在の運転免許証
免許証の名字を新しいものにしておけば、その後の車検証や保険関係の名義変更がスムーズに進みます。
3. 車検証の氏名変更
車検証に記載されている「使用者名義」も変更が必要です。
手続き場所
- 使用者の住所を管轄する運輸支局
必要書類
- 車検証
- 現在の氏名と変更前の氏名のつながりを証する戸籍謄(抄)本(発行後3か月以内)
- 委任状(代理人が申請する場合)
- 申請書
ポイント
- ナンバープレートは変更不要です(名字変更のみの場合)。
- 所要時間は1〜2時間程度ですが、運輸支局は平日しか開いていないため注意が必要です。
4. 自賠責保険・任意保険の変更
最後に忘れてはいけないのが保険関係です。
自賠責保険
車検証の氏名が変わったら、契約している保険会社に連絡して証明書を再発行してもらいます。
任意保険
こちらも同様に、保険会社に名字変更の届け出が必要です。事故時のトラブル防止のため、必ず早めに対応しておきましょう。
5. 手続きの流れまとめ
名字変更に伴う車の手続きは、以下の流れで進めるとスムーズです。
- 運転免許証の名字変更(警察署・免許試験場)
- 車検証の名字変更(運輸支局)
- 自賠責・任意保険の名字変更(保険会社)
6. 手続きをしないとどうなる?
- 車検を通せない可能性がある
- 名義不一致で売却・譲渡できない
- 事故時に保険金支払いトラブルになるリスク
「急ぎではない」と思って放置すると、後々の負担が大きくなるため、できるだけ早めに対応するのがおすすめです。
7. 行政書士に依頼するメリット
「仕事や子育てで平日に運輸支局へ行けない」「書類の準備が煩雑で不安」という方は、行政書士に依頼するのも一つの方法です。
- 必要書類の確認や作成を代行
- 平日の手続きを代理で実施
- 不備のない申請でスムーズに完了
特に名字変更は、車庫証明・保険・車検証など複数の機関にまたがるため、専門家にまとめて依頼すると安心です。
まとめ
名字が変わった際の車関連の手続きは、免許証・車検証・保険の順で対応するとスムーズに進みます。
放置すると売却や車検、事故時に思わぬトラブルが発生する可能性があるため、できるだけ早めに取り掛かることが大切です。
「平日に役所や運輸支局に行けない」「書類の準備が不安」という方は、行政書士に相談してみるのも良いでしょう。
✍️この記事を書いたのは
大田区・川崎市エリアで自動車手続きや相続・許認可申請をサポートしている行政書士事務所です。
名字変更や車の手続きでお困りの方は、お気軽にご相談ください。