相続でお車を引き継ぐ場合、運輸支局で「移転登録」(名義変更)の手続きを行う必要があります。
この記事では、相続の際の自動車の移転登録手続きの流れや準備すべき書類のポイントを、初めての方にもわかりやすくまとめてご紹介します。

1.まずは必要な書類を集める
相続による移転登録は、通常の名義変更と違い「相続関係を証明する書類」が必要になります。
関東運輸局の資料に基づき、単独相続の場合の主な必要書類は次のとおりです。
【相続による移転登録の主な必要書類】
- 移転登録申請書(OCR用紙) 国土交通省ホームページよりダウンロードできます
- 手数料納付書(印紙貼付)国土交通省ホームページよりダウンロードできます
- 遺産分割協議書(または遺言書・調停調書など)
- 戸籍謄本・法定相続情報証明書 など
- 新所有者の印鑑証明書(3か月以内)
- 自動車検査証(車検証)
- 自動車保管場所証明(必要な場合)
- 新所有者の委任状(代理申請の場合)
実務で重要なポイント(ここが窓口でよくチェックされます)
● 遺産分割協議書には「車台番号」が必要です
相続する車を特定できるように、車台番号(例:DBA-XXXXXX)が記載されている必要があります。
加えて、その車を誰が相続するのか記載されている内容が一致しているかがしっかり確認されます。
● 原本とコピーの両方が必要
窓口では 原本確認 → コピー提出 です。
原本は返却されますので、相続書類は原本を必ず持参しましょう。
2.運輸支局に行く(最初に“印紙売り場”へ)
意外と迷いやすいのがここです。
相続の移転登録では、手数料印紙を先に購入してから申請窓口へ向かう必要があります。
印紙売り場は別棟になっていることが多いため、先に寄っておくと往復せずスムーズです。
3.印紙売り場で手数料印紙を購入する
- 移転登録手数料
- ナンバー変更がある場合は番号標代
などをここで購入し、手数料納付書に貼ります。移転登録の手数料は500円です。
キャッシュレス対応の運輸支局もありますが、必要な支局はまだ多くありません。
迷ったら現金の準備がおすすめです。
4.運輸支局の窓口で必要書類を提出する
いよいよ申請です。提出する窓口は「登録」窓口です。
窓口でのチェックポイント
係員は次の点を特に丁寧に確認します。
- 遺産分割協議書に車台番号が書かれているか
- 相続人の誰が車を相続するのか遺産分割協議書に記載があるか
- 戸籍類から相続関係が正しくたどれるか
- 代理申請の場合、委任状に実印が押されているか
- 車検証の記載内容に誤りはないか
書類が整っていれば、その場で受付印が押され、車検証の書き換え手続きに進みます。
5.書き換わった車検証を受け取り、同敷地の都税事務所へ
車検証の名義が書き換わると、新しい「車検証」と「登録事項通知書」が渡されます。
POINT:都税事務所でも“法定相続情報”のコピーが必要
相続の手続きでは、同敷地にある都税事務所(または県税事務所)に移動し、
自動車税(環境性能割を含む)に関する申告を行います。
必要書類:
- 自動車税申告書
- 新しい車検証
- 新しく発行された登録事項通知書
- 新しく発行された自動車検査証記録事項
- 戸籍類・法定相続情報などのコピー(相続人と被相続人の関係を確認します)
自動車税申告書は受付前に見本を見ながら記入して、準備が整ったら番号札を取りましょう。
※相続の場合は「環境性能割(自動車税)」はかかりません。
(贈与の場合は課税されますので、この部分は大きな違いです)

まとめ:相続の車の名義変更は「書類の正確性」が最重要
相続による自動車の移転登録は、一般的な名義変更よりも必要書類が多く、
窓口でのチェックも丁寧に行われます。
特に重要なのは、
- 遺産分割協議書に車台番号があること
- 相続関係が戸籍でつながること
- 原本確認とコピー提出の組み合わせ
です。
行政書士としてお手伝いできます
相続が関わる名義変更は、書類が多く「どれが必要なの?」「原本とコピーの区別は?」と迷うことが少なくありません。
運輸支局は平日しか開いていないため、日程調整も大変です。
行政書士として、相続にまつわる車のお手続きでは、必要書類の整理、遺産分割協議書のチェック、代理申請、ナンバー付替え時の出張封印など、フルサポートが可能です。
サージ行政書士事務所では、東京大田区エリアを中心に、サポートをしております。お困りの方はお気軽にお問い合わせください。

